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デビュー戦



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久々の昔話。

アシスタント生活を終えた僕は、

人物写真専門のプロダクションに正社員として潜り込んだ。

そう、まさしく潜り込んだ。

師匠は建築やインテリア写真の分野で、4×5がメインの撮影だった。

モデル撮影など殆ど経験がない。ただ僕は人物の撮影がしたくて

師匠の元を離れたので、

面接で「人は撮れるんだよね?」

と聞かれて大きな声で「撮れます!!」

恐ろしい事です。

インテリア撮影でもライティングはしたが、

人物とは考え方も手法も機材も全てが違う。

人生一世一代の大ハッタリをこいて潜り込んだのだ。

そして遂に初現場がやって来た。

大手の広告代理店の会社案内。

社長のポートレート(無理)

会社外観、内観(コレは余裕)

社員の切り抜き(何だ?!切り抜きって!!)

初日は30人近くの社員さん達のポーズをつけた全身の切り抜き。

こうゆうのは、ちゃんとライティングしないとダメなんだよね??

わかってる、わかってる。。

どうやってやればイイのよ!

時はまだフィルム時代。

ポラを切って切ってテストしても全然出来ない。

背中は冷や汗でびっしょり。

外部のディレクターが「この人大丈なの?」と騒ぎ始める

(うるせえ!)

社員達がイラつき始める

(ゴメンなさい)

ええい!本番行きまーっす!!


結果はすぐバレる。

悲惨なポジが上がって来た。

とりあえず適正露出では撮れていた。以上!

相手は一般の会社員だから、上手に笑えないしポージングも出来ない。

こっちが支持しなきゃいけないんだけど

そんな事まで頭が回らない。

カメラとライトの設定だけでもうイッパイイッパイ。

会社も(コイツ撮れねーじゃん)って思った事でしょう。

ハッタリこいてイキがっているガキを、それでも置いてくれて

そこから7年、育ててくれた会社に本当に感謝してる。

その間に何十万枚と言うポジフィルムを使い人物撮影をして

7年後、僕はフリーになる。

 
 
 

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