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デジタルとフィルム

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僕がフリーになって暫く経った頃

世の中にデジタルカメラが出てきて、

フィルムから移行していった。

最初に触ったオリンパスのデジカメは写真とは言い難く、

三次元コピー機のような描写でとても使えるとは思わなかった。

その後の開発スピードは凄まじく

Nikon D100という機種が600万画素に到達し、

撮れる絵も写真になっていた。

その段階で仕事にデジタルを導入した。

まだ、リクルートがデータ入稿を先駆けで始めたばかり。

業界がその後大混乱する。

誰もちゃんとしたデータの知識が薄いまま動き出したので、

トラブルが続出した。

カメラマンはrawデータで撮るのが1番いいんだろ?って

そのまま編集部に納品したり、

当然相手は開けない。

16ビットで編集してそのままTIFF保存、

1枚100メガを超えるデータを送りつけたり。。。。

プロファイルもバラバラ、印刷までの過程で、

デザイナーなどがキャリブレーションしてないモニターで開いて、

色いじっちゃったり。。。

結構変な画像が出回った時期がある。

ただワークフローをしっかりやれば、

これほどコストのかからない物は無い。

世の中が急激にデジタル入稿に移行していく中、

anan ヘアカタログの編集長は写真にうるさい方で、

最後までポジフィルム入稿にこだわっていた。

3人のカメラマンで回していくのだが、

1冊作るのに1人100本以上の消費量になる。

仕事で両方出来る貴重な時代だった。

フィルムの場合は現像所に出す、引き取る、セレクトしてハサミで切り出す、

一枚ずつ袋に入れる、

色見本としてプリントしてフィルムと一緒に宅急便で送る。

もしくは制作会社に持っていく。

結構難儀だが、この過程で編集作業などは勿論無い。

撮ったらそれで終わり。

だから現場が全て、ここでダメだったら全部ダメになる。

今思うとそんなスリリングな事を毎日やっていたのかと思うと、

ゾッとする。

更にAlの時代になり益々物事が加速していってる。

でも、その場で一枚ずつベストな写真を撮っていく行為は、

何も変わる事はないはずだと思いたい。

 
 
 

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