空(カラ)のフィルム
- beatni2009
- 5 日前
- 読了時間: 1分

師匠は建築・インテリア写真の専門家で、物件広告などを日々撮影していた。
とある新築マンションのパンフレット撮影。
フィルムは全てエクタクロームというポジフィルム。
外観、リビングは4×5
各部屋はブローニー。
周りの公園や駅などの環境写真
は35mmカメラで撮影する。
初めて環境写真を撮ってこいと任された。
嬉しさのあまり舞い上がり、キャノンF1を抱えて無我夢中で撮影した。
走って、走ってギリギリに戻ってきた。
「撮ってきました!!」
フィルムを出すため巻き戻しレバーを回す。
軽い。。、、テンションがかからない。。、。
頭から足へ一気に血の気が引いていくのがわかる。
裏蓋を開けてみる。カラだ。
フィルムを入れずに撮っていた!
殴られるか?
と思ったら呆れた顔で言われた。
「もう一回撮って、帰り会社まで歩いて帰ってこい。」
そのまま車で行ってしまった。
そこは確か武蔵境、会社は新宿
はあ????
撮影をやり直し電車で新宿へ。
映画を2本見てゆっくり飯食って
夜の8時くらいに、ヘロヘロなふりをして帰社した。
「歩いて帰って来ましたあ!」
多分バレてた。
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